臨床現場の切実な声を、最速で社会実装する。
輸入超過の現状を打破し、日本発・世界標準のMedTechを創り出す。

私は現在、北海道大学病院整形外科の特任教授として日々の臨床・研究・教育に向き合うと同時に、大学発医療系スタートアップである株式会社eBioSpineの代表取締役を務めております。

現在、日本の医療分野、とりわけ医療機器産業においては、慢性的な「輸入超過」が極めて深刻なマクロ課題となっています。国内の大学や研究機関に優れた基礎研究の種がありながらも、製品化や事業化の壁(死の谷)に阻まれ、結果的に多くの現場で海外製品に依存せざるを得ないのが現状です。

私は整形外科の臨床の最前線でこの課題を肌で感じ、「メイド・イン・ジャパンの革新的な医療技術を、自らの手で事業化し、世界へ打ち出さなければならない」という強い危機感と使命感を抱きました。大学での研究を単なる論文発表だけで終わらせず、一日でも早く目の前の患者様へ届ける。その最短の道のりが、自らビジネスの主体となり製品化を牽引することでした。

従来の一般的な医療系スタートアップは、長期間の赤字による資金難や、開発を大手に任せきりにして現場感覚を喪失してしまうといった課題を抱えていました。eBioSpineは、これらの「定石」を覆します。

自社での特許取得済脊椎インプラントなどの販売により自立型の収益基盤を確立し、創業3年目にして通期黒字化を達成しました。この「稼ぐ力」をベースに、製薬大手との強固なアライアンスを両立する独自のエコシステムを構築しています。

現在私たちが挑んでいるのは、アルギン酸単独ゲルや高純度間質細胞とのコンビネーションを用いた「椎間板再生医療」の確立です。腰部脊柱管狭窄症や慢性腰痛症といった難治性疾患に対し、持田製薬との共同研究をはじめとする多層的なポートフォリオと独自の薬事戦略を駆使し、早期の臨床実証を目指しています。

我々の技術基盤を支えているのは、一切の妥協を許さないアカデミアの科学的根拠です。脊椎インプラントの製品化や、現在進行中の椎間板再生医療における非臨床・臨床試験に至るまで、AMED(日本医療研究開発機構)から多角的かつ継続的な支援を受け、PMDA(医薬品医療機器総合機構)との綿密な連携のもとで確実な歩みを進めてまいりました。

さらに、これらの医工連携による開発成果や社会実装への取り組みは、文部科学大臣表彰および厚生労働大臣表彰という形で、国からも非常に高い評価をいただいております。しかし、私たちにとってこれらの採択や受賞は決してゴールではありません。むしろ、「最先端の技術を、一日でも早く確実に現場の患者様と社会へ還元せよ」という、社会からの強い期待であり、果たすべき重い責任であると受け止めています。

我々は、医療機器の輸入超過という日本の構造的課題に挑むゲームチェンジャーです。製薬大手の「資本・製販」の力と、我々スタートアップの持つ「専門性・現場力」を融合させた最強のアライアンスにより、10年以内にGlobal MedTechの新潮流を創出します。

すべての脊椎疾患に苦しむ患者様に、新たな希望と最適な医療をお届けするため、私たちは限界を設けず挑戦を続けてまいります。

株式会社eBioSpine 代表取締役 / 北海道大学病院 整形外科 特任教授 須藤 英毅